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シロガネェゼの愁眉
2008年 08月 12日
☆ トラバでボケましょう2008 レベル5 ☆
【お題】



熱帯夜。
なかなか寝つけないでいると
枕元に、誰かが 立った。
月明かりに照らされて、こちらをじっと見つめている。
その手には数枚のカードが。
おごそかな声で言いながら、扇のようにカードを開いて差し出した。

「さあ、ここから 好きなのを選びなさい」

・・・・んで?
 


・・・・なんで?

まったく訳がわからなかったというのが正直なところです。

いくら温暖化だからといって、北緯45度のこの場所に熱帯夜がやってくるとは。

いくら寝つけないからといって、酒もクスリも飲んでいないのに幻覚を見ていることも。

いくら盆のシーズンだからといって、枕もとに半透明な髪の長い女が立っていることも。


十日目の月の光は、さらさらとした光を、女の不思議な髪色へ注ぎつづけています。

白く透明で、プラチナのような輝きと、灰白質のような埃の味が立ち上る。 そんな色合い。

透ける文字通りに透明な指先に、扇のように開かれたカードが柔らかく止められています。

この熱帯夜に寒いのでしょうか。 指先は微かに震えているようです。

この明るい月夜が眩しいのでしょうか。 長いまつげを半ば閉じています。

   ・・・まつげを閉じる?・・・ 自分で書いておきながら、ちょっとマチゲぇな気がします。


これは、銀ぎつねが化けて出たのでしょうか?
 ごんぎつねには泣けます。 大好きです。 けれど、ぎんぎつねとは一文字違っています。
 Firefox(火狐)は愛用しています。 でも熱感知型Silverfoxなんて物騒すぎます。
 夜の銀狐。 ソーロ・グリス・デ・ラ・ ノーチェなのですか? ・・・雄狐さんなのに髪の長いところをみると、狐界のニューハーフさんなのでしょうか。 それって間に合ってます、お引取りを。


そんな混乱した気持ちが浮遊感を招いたのでしょうか。 それとも幽体離脱の才能があったのでしょうか。 扇のカードにひらふわと煽がれて、ぼくの体は浮きあがったのでした。
正確には肉体が浮き上がったのではなくて、精神と言うか気持ちというのか、意識というのか魂と言う方が雰囲気があるのか、ともかくそのようなぼくがベッドの上空25cmほどの高さに浮かんでいることに気付いたのです。

「さあ、ここから 好きなのを選びなさい」

透明感のある手の指先が ひらひらと柔らかな熱風を送り、仄かに光る銀色の(白銀の?)髪をそよがせながらおごそかな声が響いて、扇のカードが舞い振られます。

選んでしまえば終わるのか、選ばなければ終われないのか、なにがなんだかわけわかめなのだけれども、ぼくは右端の一枚を引き抜いたのでした。 その刹那に、僕の体は100万ドルとも呼ばれる夜景の場所に居たのです。

シロガネェゼの愁眉_c0062295_21342169.jpg



百という数字は、ひとつ足りないと白という数になる。 99歳のお祝いを白寿というのは高齢だ。 ・・・違った交霊だ。 ・・・まだ違うぞ!恒例だ。 ・・・くどすぎないか?
以上、ボケの好例を示そうとして滑ったというわけだ。
 好例のつもりが、飽く例 か 悪霊 を招いてしまったのは、やはり霊体離脱中だからなのだろう。

 これぞ、夢うつちゅうというわけである。


白い影が、ふわりとした髪を私の鼻先にかすめるように流して、反対側の枕もとに移動しました。

「さあ、ここから 好きなのを選びなさい」

まだ、終わってないようです(涙


もしかしたら、この選択は無限にいつまでも果てしなく続くのかもしれません。

 それはちょうどサイの河原の石積みをすれどもすれども崩されて、やり直す羽目になる境遇にも似ているのかと思って、ちょっとぞくっとしました。

もしかしたら、この肉体から離脱した浮遊感は一夜の夢のように、明るい朝日の眩しさと一緒に燃え尽きた炎の灰のように消えてしまうものかもしれません。

 それは銀の弾丸を心の臓に撃ち込まれたパンパイヤの末期のように、肉体も精神も滅び消えてしまうかという想像は、かなり衝撃的でした。


次のカードを選ぶ前に少しだけ考えてみたならよかったのかもしれません。
あるいは、カードを選ばないという選択だってあったかもしれません。

けれどぼくは何を思ったのでしょう。

 「一枚、二枚、三枚、・・・・・」

カードを数え始めたのでした。

 「・・・九十九枚。 (よし白枚だ とここで安心した理由は今もわかりません)」

そして銀色のたおやかで柔らかな髪に自分の指を触れながら、透明な女の人指し指の先をつまむようにして、一枚のカードを抜き取ったのです。

その刹那に、私は銀河の星々の中に、ミルキーウエイの真ん中に投げ込まれていました。

女の透明な身体は 無数の蒼白い光の粒となって、白金の髪は キューティクルの粒が幾千万の小さな灯となって、ぼくの身体を包みこみました。

あとからあとから、山の方角の黒い森の木々の上から、小さな光の粒が降りしきります。
つぎからつぎから、白くほの蒼くそして金色の灯かり達が舞い降りて参ります。
ぼくは無数の蛍に包まれた、白神山麓のあの夏の夜を思いだしていたのでした。



目覚めはいつもと変わりのないものでした。
朝の光が網膜を直接射るように輝いていました。
今日も暑い日になりそうです。

かつて盆を迎えると、「地獄の釜の蓋が開く」なんて表現をいたしました。 太陽の光や炎の灯かりは、金色や黄色や赤色なものです。
昨夜に私が包まれた光は、ほしのあかり つきのあかり 蛍のひかり。。 焼き燃える光ではない、静かで細く白くて銀色で蒼いひかり・冷たい光でした。

あの白く蒼い影は、蛍の精だったのでしょうか。
それとも、やはり、銀ぎつねに化かされたのでしょうか。
あるいは、寝苦しい夏の夜の夢 に過ぎない一夜だっただけかも知れません。

その答えは見つからないままでしょう。 だからでしょうか。

考えても答えはないのに、ぼくが選んだあの99番目のカードだけが、この陽光の元へ帰る唯一の道だったのだろうか・・・などとふとした想いに浮かんで漂っている自分に気付いてしまうのでした。


あの夜思いだした、白神山麓の沢を海へと膨大な数の蛍に囲まれたひととき。

もしかしたら、あのひとときは、白い神の通る道にぼくが迷い込んだから遭遇できたのかもしれません。

まぁ神の精に触れたとしても、そこは♂同士。。。 子は生まれはしませんがね。 ^^



■□■□■□■□■□【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■□
【ルール】
参加:
 お題の記事に対してトラバしてボケて下さい。
 締切りは1つのお題に対し30トラバつく、もしくは次の金曜日8/12(火)夜中まで
 1つのお題に対しては1人1トラバ(1ネタ)とします。
 お題が変われば何度でも参加OKです。

チャンプ:
 お題を出した人が独断で審査しチャンプ(大賞)を決めます。
 チャンプになったら王様です。以下の特典と栄誉が行使できます。
  1.お題を出す
  2.言いたい放題な審査をする
  3.次のチャンプを決める
 何か困ったことがありましたら開催事務局までどうぞ。

企画終了条件:
 みんなが飽きるまで、もしくは開催事務局が終了宣言を告知した時です。

参加条件
 特になし!
 ※ 以下あれば尚可!!
 ブログをもっている。あるいはこれから作成する。
 トラックバック機能が使える。

 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。

 企画元     毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/
 開催事務局  ボケトラの穴     http://trana88.exblog.jp/
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


本当は、白がねえぜ! と ぼけたかったんですけどねぇ。。

ネタばれしているようなタイトルから、落ちにつなげるのって難しいものですねぇ。

そういえばどうしたものか、前の僕の名は (そして,彼女の名は)と同様、おホモだちなネタに繋げちゃっていますね。 (´~`ヾ) ポリポリ・・・


狐の嫁入り とか 女郎蜘蛛の糸 とか、ちょっと和風の物の怪を登場させようと思ったのですけれど、あまりしっとりとした文章は書けないんですよ。


そうそう、あの夜が明けたときの眩しさで目を傷めたみたいで、たまになんですけど妻の尻に白銀(しろがね)色のふわふわしたほうきのようなものを錯覚するようになったんですよね。 これって眼科にかかったほうがいいのでしょうか。
なにね、目をひとこすりして、「コンコン」と咳払いをしたら消えてしまう、軽症の錯覚なんですけどねぇ。

ええ、幻覚に決まっていますとも。

九尾の狐はおりましても、愁眉の狐なんて、聞いたこともございません。
by bucmacoto | 2008-08-12 07:46 |   illusion rhapsody | Comments(8)
Commented by sofia_ss at 2008-08-12 12:17
参加ありがとうございます^^
いつの間に函館へ・・・
今年の夏は北国育ちには過酷です(>_<)
Commented by bucmacoto at 2008-08-12 18:26
☆ sofia_ss さま

はみ出し画像は、例によってIE6だと消えないのは仕様です。
 あー。。。  ↑ 霊によってという具合に作れたらよかったのですが w

今年の夏は、北海道でも暑い日がありました。
函館は温暖な印象があるのですが、そこの育ちでも本州の酷暑はこたえそうですね。
Commented by miniusagi52 at 2008-08-12 23:16
夜の銀狐にはまってしまいました。
ここは懐かしさがつまった言葉の宝庫ですね(笑)

今年の夏は厳しいですね。暑さの苦手な私にはこたえます…
9月も残暑が厳しいとか。
いやですねー。

Commented by bucmacoto at 2008-08-13 01:24
☆ miniusagi52 さま

あは。 学生時代の飲み屋バイトでかけたカラオケの定番には、
「夜の銀狐」
これが必ずありました ^^
http://jp.youtube.com/watch?v=oppkOGycFmY

冷夏であるよりは、本格的な夏のほうが、野菜や食べ物はお安くなりそうです。
そういや昔は「氷雨」なんてのもヒットしていましたね。(高校の頃かな?)
Commented by katuo0076 at 2008-08-13 08:35
いやあ、この緻密でありながら飛躍する情景描写。まあ、ほとんど無意味ですが(おぃ。いや、そこが、ある意味、異世界への扉の入り口なのかもしれません。一般庶民のわたしにとっても、シロガネェゼはある意味、異世界です。
っか、何をコメントしてるのかよく判らん(自分でも(おぃ。
Commented by bucmacoto at 2008-08-13 19:10
☆ katuo0076 さま

お世辞とわかっていてもこの形容は嬉しい > 緻密
シロガネェゼに縁遠い私には、彼女たちが狐に思えているやらいないやら・・^^
この世の異世界が上流階級の世界だとしたら、そこは タヌキ・キツネ・コウモリ のどれかに属さないと生きてゆけない世界であるのかも・・・(嘘100%
Commented by MemenDers at 2008-08-13 21:42
シロガネェゼはカネガネェゼと呪文を唱えると霧散します。
・・・って何の話だっけ?^^???

シルバーフォックスはカッコイイなと思ったとか思わなかったとか。
Commented by bucmacoto at 2008-08-13 22:01
☆ MemenDers さま

うまい! > シロガネェゼへの対抗呪文はカネガネェゼ

キタキツネはredfoxの一種で、redfoxの一部は銀狐になるそうですが。。。
カッコイイと思ったのは、こちらでしょうか w
http://www.onr.navy.mil/media/releases/image_gallery/images/06_silver_fox_in_recovery_net.jpg
(ちょっと拿捕された風の、かっこ悪い無人偵察機くん)
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