2008年 06月 17日
短い残業の後、夕食終えて、夕陽を追いかけ、自転車転がす。
夏至までもう少し。 夕暮れになっても帰らなかったり、マムシやクマの情報がある場所に遊びに出かけるとき、よく親に言われたものだ。 「遅くなったら、ケーサツに捜してもらうんだからね」 「マムシに噛まれたら、すぐ血清打たなきゃ死んじゃうよ」 「死んだふりしてもクマは見逃さないんだってさ」 注意なのか脅しなのか、微妙ではある。 さほど野生児でなかった私は、さほど帰宅が遅くなることもなく、晩飯抜きの記憶も一度くらいのものだった。 それも確か、おもちゃがたくさんあるお家で夢中になってということが小学校低学年の時にあったくらいのものだ。 人並みの外遊びはした。 川でぬめぬめとした岩場を越えたり、暖かな沼の中で柳のような枝垂れた木の下でヒルを見たり、山の陰にある洞窟に食べられるものを持ち寄ったりといった程度のものだが。 冒険と呼べる程の野生さもなく、当時の平凡な小学校中学年の男の子の遊び方だ。 (当時の漁師街の子供は、遊泳禁止の海で遊んで泳いで、木タバコしてた) それでも、親は心配したのだろう。 心配を注意に変え、それは子供心に脅しに近いものだった。 そして、もう初老に近いのに、ふと下草の深い藪に足を踏み入れるときには、マムシの恐怖が頭をよぎる。 親の注意は有難いものなのか、親の脅しは効き過ぎる場合があるのか、まったく微妙なものだと思う。 小学校上学年の頃に盗み読みした親の本に、「スポック博士の育児書」がある。 「ほめて育てなさい」 これを今もよく覚えている。 正直、さほど(母が言うほどには)ほめられて育てられたとも思わないが、少なくとも貶(けな)されることは多くなかった。 この点はありがたい。 悪いことに目を向ける=注意 よいことに目を向ける=楽観 こう位置づけると、なるほどほめることで楽観を育み、生きる力(勇気)の土壌になるのだろう。 面白いことに、注意をしない(放任)という教育姿勢でも同様な結果になる > たくましく生き延びる力が育まれる。 大切に育て上げてたつもりでも、温室育ちの虚弱児になることもある。 逆に放任気味で見守ってきたつもりが、愛情不足と言われることもある。 クリスチャンでベジタリアンで、酒もたしなまずタバコもやらない先輩は、十歳に満たない子供たちを残して天に召されていった。 注意深くあっても完全な結果は望めないこともある。 注意に注意を重ねようと、神ならぬ人間のこの身には限度がある。 勇気(生きる力)なんてきっと、小さな子供にも最初から備わっているのだと思う。 ようは、その生命力を蝕むものには注意をする、その力を支えるものはほめ倒す。 それは、外から与える注意や賞賛であるよりも、中に根付いた力となるようにという心構えであれば充分なのだろう。 過剰にならず不足しないくらであればそれでいい。 その「いい加減」さの基準は、かなり幅広いのだと鷹揚に構えていたいと思う。 自分がきちんとしていることを望んでも、それは子供に窮屈なだけかもしれない。 自分がだらしなく思えたとしても、それは充分なマージンなのかもしれない。 基準に明快な(信ずるに足ると思える)根拠があったとしても、 それが宗教の教義でも、 科学的な新知見でも、 年寄りの話でも、 宣伝だろうと、 参考程度に参照して、あとはできる範囲でやりたい分だけ迷惑にならない位で、 きっと、ちょうどよい。 (と、私は思っています)
by bucmacoto
| 2008-06-17 22:05
| wave
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Comments(2)
こんにちは。
う~ん、こう言う電線や人工物のない 広大な写真はほんとうに気持ちがいいなぁ ^^ 自然が人間を育てるって言うのもある気がする。 私は両親共働きでかぎっ子だったので、 明るいうちは小川や山で一人で遊んでたよ。 今の子は、塾や習い事でそんな時間はないんだろうなぁ。 現代っ子の様に美味しいケーキを食べられなくたって、 泥まんじゅうを作って食べるふりして遊んだあの頃が幸せでした。
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bucmacoto at 2008-06-19 00:11
γ ふあ さま
登山で稜線にでた開放感、船旅で水平線を望んだ爽快感、そんな感じです? イナカですが一応は電線もあるのですよ w 縮小した時のジャギーを嫌って、なるべく入れないアングルを選んでいます。 泥まんじゅう、水路を作ってのダム遊び、海岸での波に立ち向かう砂の船。。。 楽しく幸せな時間でしたね。 無邪気さと計算のないトライ&フィールが、子供時代のたからものですかね。
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