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戦時下の人間を描いた映画
2007年 08月 05日
ネットで映画を見た。
それはハリウッド映画でもイギリス映画でもフランス映画でもなく、ドイツ映画だった。

ヒトラー ~最期の12日間~ (字幕版)

私が近代史上、最も嫌いな人物は、ヒトラーとスターリン。

  両者に共通する手法は、「情報操作」 ⊕ 「自己神格化」。

 彼らの狂気とも思える敵対者への粛清姿勢を、精神的な病理・不信と恐怖 というものにその根源を求めることもできる。 しかし、「辱めよりは死を選べ」 「生き恥を晒すくらいなら名誉を護(まも)って戦いぬけ」 という思考回路自体は、倫理感情の非常に昂揚した状態にあってはよく見られるものであるのも事実だ(少なくとも私にはそう思える)。

 かつて大ヒットした映画 「タイタニック」 で 私が最もうるうるしてしまったのは、沈みゆく豪華客船の楽隊員が いままさに沈没する船の船上で 最後まで自らの持ち場を離れずに演奏を続けるシーンであった。


 思春期前にマルキスト思想に感化され、その一方で友人に戦記物大好き人間が存在した。それでも私は信条を崇高なものとしたり戦争を美化した物語には、一時的に感動を覚えるにせよその精神構造に溺れてはならないという気持ちが半ば本源的にでてくる。

 今回の映画ではいくつもの印象的なシーンや演出がある。 ヒトラーの左手が脳右葉の器質障害か機能障害を示唆するような振戦を示していたりするところや、うら若い女性も含め非常にあちこちに喫煙をするシーンが挿入されているところなどである。

 そして私の印象に残ったのは、ヒトラーから命令無視の嫌疑をかけられた銃殺を宣せられた司令官が、受付け将校に用件を問われた時 「銃殺されに」 と短く答えるシーンであった。
 ※ 恥ずかしながら、ヴィルヘルム・モーンケ(SS少将) なのか カール・デーニッツ(元帥)なのか私にはよく区別ができていない(苦笑)。


 戦時下のような、また死を目前にした極限状況下ではその人間の隠された(いわゆる)人間性が表出しやすいという。(この考え方自体は一面の真理を付いたものであるが、決定的なものではないと私は考えるようにしている)

 明日は史上で初めての原爆が広島に投下された日。
 自由と民主主義を標榜する連合国にあっても、原爆開発のために召集された科学者達は家族も含め非常に厳格な機密管理下に置かれたという。(電話や通信の盗聴はあたりまえであるばかりか、ほとんど常に尾行され監視されていた。 あたかもナチスのゲシュタポや親衛隊の活動にさらされているかのように)


 ドイツと日本とは国民性によく類似を指摘される。 勤勉さ・集団帰属意識の高さ・規律やチームワーク重視 そして追い込まれた時の危機バネの強さと脆さ などだ。
 (血液型の)A型性向とも捉える考え方もある。

 中学の頃に知ったクレッチマーの 体型-器質分類(やせ:分裂気質 でぶ:そううつ質 闘士体型:粘着質) は今ではすっかり科学的妥当性を疑われているが、この分類自体はドイツ地方の集団から観察され抽出された性向であるそうだ。

 日本発の 血液型類型-性格分類 も、ある程度の妥当性は感じられるものの 科学的で厳密な妥当性(有意差という意味ではなく、血液型から演繹できるものかという意味)は非常にあやふやであると思う。 < 個人的には若い頃かなりハマッた経験が長いのだが(笑)

 ヒトラーのもった、劣悪ユダヤ人種による世界支配幻想もそうだが、ある程度 妥当に思える考え方であっても(さらには正しいとしか思えない考え方の組み合わせであっても)、その展開次第では非常に矛盾に満ちたものになってしまうと思うのだ。
 映画の中で、「(ドイツ)国民にたいする忠誠と奉仕はいささかも揺るいだことはない」 と言い切るヒトラーが、「国が破れて国民になど何の意味がある」 という意味の言葉を口にするシーンがある。
 (国家)全体を守るという思想自体は誤りではないが、(個々の)国民はそこに従属するという全体主義思想は矛盾に陥ってしまう。 やはり 国家は国民を守るために存在するのだし、国民を支える基盤であって国民の上に君臨するものではないのだから。

 これは国家に限らず、宗教団体でもあらゆる組織やチームで、いつでもどこでも生じてしまう思考のパラドクスであるように思い続けている。
 個々の存在は(全体から見れば)要素。 そして、全体は個々の存在を助けるための組織。

 ・・・ どうも、「ひとりはみんなのために みんなはひとりのために」 っていう小学校の頃に親しんだ言葉は、両方の意味があるのだな。。
 個人を優先とも 集団を優先ともとれる。 < (私は)全体を個に優先して考えることを否定はしないが、他者にそれを誘導したり強制することは(特に恐怖感をその道具に使うことは)絶対に容認出来ない。

 つまるところ、私には集団や組織というものを目的には感じられないで、個人を助ける手段としてならそこに尽くしたいと思うのだろう。
 そして、医療や警察や社会インフラを担う多くの人々が、そうした思いを必ずどこかに仕舞い込みながら、無理解や不条理に屈しないで職務を果たしていると そうした(もしかしたら)幻影かもしれない思いを温めあらたにする機会が、(日本にとって)終戦を振り返る夏の期間なのだと思う。


   ちなみに、お盆の先祖供養などほとんど略式ですますのが、私であります。
    > ご先祖様(存命中の父母を含む w)。 ごめんなさい
post at 2007.08/05
last edit at 2007.08/06





ネットストリーミングでは高速回線が前提となっている。 しかし、どうしても帯域不足によって動きがギクシャクしたりコマ送り画面になりがちなのもネット映画鑑賞のネックだ。

ダウンロードツールがいくつかあるが、私はネット市販品の MPX3を利用してローカル保存して観ている。 (コンテンツ再生の度にネット経由でコンテンツのライセンス確認されるので、コピーをコンテンツ配布元の期限以上には鑑賞出来ない)
フリーソフトでは、GetASFStream あたりがローカル保存を可能とする有名どころであるようだ。

ブラウザは(普段と違って)、IEを使う。 もちろん再生ソフトは Windows Media Player になってしまう。
 ※ .asf ファイル構造は microsoft が特許を有しているという。(wmv も asf の一種だ)

 ちなみに WMP のスライダ(途中まで飛ばし見る)を復活させたくて、Ver11を削除してVer10に戻してしまった。 → 方法(microsoft公式ページ)
以下は wikipediaの項目
ナチス
ヒトラー ← 徴兵検査時の身長は175cm(チビじゃないじゃん w)
デーニッツ
ゲッベルス
ヒムラー
ゲーリング ↓ (大戦後)ニュルンベルク裁判での発言
「……もちろん、国民は戦争を望みませんよ。運がよくてもせいぜい無傷で帰ってくるぐらいしかない戦争に、貧しい農民が命を賭けようなんて思うはずがありません。一般国民は戦争を望みません。ソ連でも、イギリスでも、アメリカでも、そしてその点ではドイツでも同じことです。政策を決めるのはその国の指導者です。そして国民はつねに指導者のいいなりになるように仕向けられます。
……反対の声があろうがなかろうが、人々を政治指導者の望むようにするのは簡単です。
国民にむかって、われわれは攻撃されかかっているのだと煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けていると非難すればよいのです。そして国を更なる危険にさらす。このやりかたはどんな国でも有効ですよ。」
     ロンメル ← 捕虜を丁重に扱うなど国際法遵守と騎士道精神で有名
プロパガンダ ← 情報操作を伴う組織的宣伝

by bucmacoto | 2007-08-05 17:39 | particle | Comments(0)
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