2007年 06月 17日
前回のお話 → 帰ってきたTBリレー小説 『Peach Boy Episode2』 第38話。
晴れた空。 そよぐ風。 港入船のどらの音 たのし。。。 ユニットが島に到着した、ちょうどその頃。。 昼間だと言うのに厚い雷雲と激しい雷雨のために、鬼ヶ島の空は闇夜のような有様だった。 天宮に居を定める 雷神・雷鬼たちが、鬼ヶ島の秘密を守護しているのだ。 稲妻が雲間にスパークする闇間に紛れ、ひそかに一匹の鬼が 鬼ヶ島へと上陸した。 ・・・ 稲妻が鬼の姿を浮かび上がらせる。 その姿は、デスラー似のおじいさん! ※ 「デスラー」とは「死の太陽」 の意味だという。 鬼ヶ島全土がまるで震撼しているかのように、おそれを抱きながら畏怖と尊敬の波動を放っていた。 「・・・総統陛下 万歳! ・・・総統バンザーイ!!」 鬼たちの通奏低音を思わせる低い唱和を、右手を挙げることで制しておじいさんは演説を始めた。 「諸君。 闇に追われ、死を友となしたわが同胞の諸君。 私を再び迎え入れんと欲するに到ったわけは聞くまい。 しかし諸君よ。 かつて一度は桃太郎ごときに、降参をなした者達よ。 いま再びの敗北はこの私が許さん。 あの桃太郎が、今度は私が精を授けた李太郎を伴ってやってくる。 いまこそ。 今度こそ。 リベンジを成し遂げたまえ!!」 再び地響きにも海鳴りにも似た低周波動が、あたり一面に鳴り響く。 「・・・万歳~~~ぃ!・・・」 「ふ~~~っ。 あかん~~~。 潜行限度を超えてる~~っ。」 ガメラな出歯目亀は音を上げる。 桃太郎は不思議そうだ。 「どうしてわざわざ潜って行くのさ? このままあそこまで行けば済む話しでしょう?」 桃太郎の指し示した指の先には、鬼ヶ島のシンボルともいえる 二本の奇岩がそそり立つ。 ぶしゅしゅと鼻から海水を排水しながら ガメラの口が開いた。 「『狭き門より入れ』 というのは天国ばかりじゃないのさ。 広き門で歓迎ののぼりをあげているようなとこはなぁ、そいつぁ地獄の一丁目ってやつさなぁ…苦労のない安易な道程にはな それに見合った果実しか実らんちぅこったなぁ。 あそこは多国籍な管轄下にあってな。 カジノから原子炉までそろっちょるちうややこしい島なんだな。 ロシア・中国・韓国・日本、そして北の将軍様までが関与しちょるちぅわけだ。 表面上は仲の良い社交場だが、水面下では激しい駆け引きと欲望が渦巻く世界だ。 もし本格的に不可侵条約が破られたとなったら、核弾頭つきノドンでひとたまりもなく消されちまう。。 怖い所だぁ。」 ため息とも鼻息ともとれる息と共に巨大な亀は言葉をつないだ。 「深い静かな海の底の入り口こそが、絵にも描けない美しさの本当の海底シャトーの入り口だぁ。 【鬼ヶ島】 とか 【竜宮城】 って言われちょるが、鬼や鬼婆や乙姫たちゃ 【シャトー】って呼んでるんだなぁ。 美しいだけでなく、深海底は安全でもあるのだなぁ。 天然の核シェルターでもあるからなぁ。」 出歯目亀ガメラは唐突に鼻歌を吹き上げた。 森と~ 泉水に~ か~こ~まれて~ ♪ ぶるぶるぶるぶるぶるぶる~ しゃと~ ♪ 先日のボケでは恥らけ飛んだ桃太郎。 『ZARDは好きです』 とはさすがに言わなかった。 代わりに今回はツッコミを入れてみた。 「カメさん。 メタボじゃないですかぁ~? 食いすぎ飲みすぎ運動不足で太りすぎ。 脂肪がつきすぎて浮力が強すぎて、潜れなくなっているのではありませんか。」 ハニワのような細い目をぎろりと向けて出歯目亀ガメラはこう答えたのだ。 「いやぁ最近は腸の具合が悪くてな。 いつもガスが腹ん中でぐるぐるいっちょるんよ。 桃太郎や ちょいと中を調べてもらえんかのぉ。」 「ぼくを食べる気じゃないでしょうね?」 「わしゃガメラぞ! その気になったら火炎放射で焼き上げてお前ごときとっとと焼きモモにして食うとるわぃ。 いらん心配はよして調べておくれ。 ああ、それでも心配ならこの打ち出の小槌を授けよう。 いざとなったらこれを振って腹の中で大きくなればわしはひとたまりもない。 こうなればお前さんを消化しようにもできないだろう?」 桃太郎は少しだけ考えましたが、なるほどそうだと思いました。 『巨大化なんて嫌だけど・・・消化されるよりはその方がいい。 ここで放り出されても潮が浸み込んで桃尻の味まで落ちてしまうかもしれない。 なにより亀の腹ならシェルターにもなるだろう。』 そこで、よいこらしょとガメラの大口の中へと入り,そこから腹の中へと進んで行きました。 中は漆黒の闇・・・のはずが仄かに明るく壁が光っています。 それどころか進むにしたがってその明るさはますます増すばかり。 そしてまるで真昼の太陽のような明るさに輝くガメラの腹の奥深くで桃太郎は驚くものを目にしたのでした。 腸管壁にまるでポリープのようにへばりついた樹の実として、李太郎の実がなっているのを。 『眠れる森の すもも ─── ただいま 触るべからず』ああ、もうなにがなんだか。。。。 ランが伸びやかに、歓声を上げた。 「素敵~っ ♪ コバルトブルーの海♪♪ 純白の砂浜♪♪♪ サンサンと照りつける太陽♪♪♪♪ 芸能人になってよかったー。」 犬Kは戸惑いを隠せない。 「ち・ちょっと待って! いつから芸能人に? 第一、鬼ヶ島がこんな常夏のシマだなんて。。。」 トリクッケも思慮深げに目を細めていた。 「いかにも不審であるぞ。。 見かけに騙されてはいかん。」 重々しいその口調とは裏腹に、トリクッケは犬Kの目を盗んでランの尻をなでまわす。 ランは尾羽を震わせながら、軽蔑しきった口調で言い放った。 「ぉぃ。 新婦の尻を撫で回すったぁ、いい度胸してるな。 おっさん。 この ホーマー・シンプシンプソン 並みのノータリン脳みそサルが!」 ☆★☆★☆★☆【TBリレー小説テンプレ】☆★☆★☆★☆ 【ルール】 前の人の記事と企画記事 http://earll73.exblog.jp/5344230 にトラックバックをして小説をリレーして行って下さい 1話の長さは無制限ですが、あまり長くならないように 連続でなければ何度書いてもOKです 【小説連載期間】 50TB(50話)で完結 もしくは、72時間以内にTBがつかなければ即打ち切り ※このテンプレを記事の最後にコピペして下さい 企画元 毎日が送りバント ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 帰ってきたTBリレー小説 『Peach Boy Episode2』 第38話。 からトラバ TB再開されないのでそれまで編集。 背景の空は とても南の島とは言えない場所の空 w 赤鬼さんと青鬼さんとそろいぶみじゃないとなぁ。 < 黒鬼って死神かぃ ^^; (TB実行 : 2007-06-20 23:47)
by bucmacoto
| 2007-06-17 21:47
| illusion rhapsody
|
Comments(9)
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bucmacoto at 2007-06-24 00:16
sudden death !
あーあ。 39話にて完結。。。残念なような ちっぴりほっとしたような。。。(苦笑) いっぱい長文を書かせていただき、ありがとうございました。
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sabretoothjapan at 2007-06-24 03:32
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bucmacoto at 2007-06-24 11:00
ぐはぁ(笑)
続いちゃったのですか? バント胴元の許可は出るんでしょうかー 夏休みの宿題って、始業式から帰ってからやったりしてましたね。 途中まで w ちなみに9/1になったら、もう二学期になって一週間~10日経ってました < 北海道では
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earll73 at 2007-06-26 01:30
まだ全然読めてないんですが、もう進めちゃって下さい。
皆さんに任せました!
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bucmacoto at 2007-06-26 08:06
◆ バントさん
> もう進めちゃって下さい。 > 皆さんに任せました! ぉ,胴元の許可証発 ♪ < 安心してやれます 残り十回でどう完結(もしくは断筆)となるか、、、バントさんももう一話書いてみませんか?
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ho_neko at 2007-06-30 08:54
しばらくおサボリしててすいませんm(_ _)m
> 夏休みの宿題って、9月1日になってからやるもんじゃありません? 激しく同意。(ぉぃ^^;) 始業式の前の晩、徹夜ってのもよくありました(爆) でも、そうそう、ご指摘どおり北海道は夏休み終わるの早いから、9月1日にならないんですよね~。 というわけで、42話、遅刻してTBです_ _;
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bucmacoto at 2007-07-01 01:51
◆ ho_neko さま
もしかして、ねこさまも道産子ですかしら。。? > 北海道は夏休み終わるの早い 宿題は本当にできなかったです。。。 何とかかんとか工作はでっち上げるのですが、感想文とか作文とかプリントとか全滅。 授業中に中てられて、それから咄嗟に考えて答えをひねりだして逃れたことばかり ^^; そういや、遅刻ぎりぎりで通学してたなぁ。 なぜか雨の日には早目に出るから遅れない w
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ho_neko at 2007-07-03 20:50
あ、まだ書いてませんでしたっけ…^^;
私は生粋の道産子です♪ 北海道を出たと思ったら、次がドイツでしたけど(笑) 私の出身高校、朝は8時35分までに登校だったもんで、いつもぎりぎりに来る人は「8時半の男」「8時半の女」と呼ばれていました。 で、「8時半の女」のくせに皆勤賞を取得した私って…(爆)
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bucmacoto at 2007-07-04 00:43
◆ ho_neko さま
北海道からドイツへ直送ですか。(ちょっと言葉が違う気も・・・ めしの美味い場所ばかりですね。 本場のソーセージ,ウインナー,フランク・・・ うまそう(私はドイツ未体験者) 中学までは私も8時半の男でしたね。 NHK連続テレビ小説が始まらないと自宅を出ないという。。。(笑) 高校は汽車通学だったので7時15分前後には駅に到着しないと間に合いませんでした。
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