2006年 07月 18日
日常会話で、「~だから」 といえば理由を示す。
あの人は大学院いったから お金がないから 心がきれいだから といった具合に、~(ほにゃらら) が出発点だ。 否定の意味合いを込めるなら、【~のせいで】 と表現する。 大学院博士課程までいったせいで~ こうした表現をしたなら、ダメという評価を発言者がしているとすぐに汲み取れる。 肯定する場合には、『~のおかげで』 と表す。 お金がなかったおかげで 心のきれいな人を見つけられた。 という具合で、理由の中でも原因(主な要因)をポジティブに捉えている場合の表現だ。 (顕すと書くと、「功績をあらわす」のように使う) 理由(要因)のうち、主なものを 因,それ以外(付属的なものついでのもの)を 縁、こう分けることもできる(仏教的パラダイム)が、ここでは立ち入らない。 < 主と従とは歴史と呼べるほどの時を経てから明確となるため 『認識なくして評価なし』 という言葉は魅力的な真実ではある。 しかし、評価の助けを借りないで正しく認識することは、不可能に近い。 これは赤いから 甘酸っぱいにおいがするから 掌ほどの大きさだから りんご。 < これは認識 これは青いけど、りんごみたいな大きさで、甘酸っぱい香りがする だから、青りんご。 < これは(認識を経た)判断 ・・・ (なんだか説明的に書くのが面倒になってきました。) ・・・ つまるところ、 視覚的感覚入力 (網膜の赤色オプシン錐体視細胞が発火) → 局所的統合(1次統合出力) 眼球から視神経束レベルでひとまとめ → (一部は)大脳辺縁系へと分岐して発火が渡される → (主力信号は)後頭葉にて再構成(右脳)・統合(左脳)され、二次出力される → 側頭葉の記憶モジュールとの照合 → 前頭葉へ伝達 という目からの信号に ・におい情報 → 嗅脳 → 辺縁系と側頭葉 → 前頭葉 ・手触り → 視床 → 頭頂葉(辺縁系より修飾受けた出力) → 前頭葉 嗅覚と触覚が加味されてゆくのですね。 ここで、辺縁系からの修飾を受けた信号経路があることに注意します。 エピソード記憶(個人的記憶:アルツマイマー型はここが障害)は、辺縁系の海馬に より多くが蓄えられています。 この記憶からの修飾を経た情報が前頭葉に送られるわけです。 もう一種類の記憶である作業記憶(自転車にのる 編み物をする)と意味記憶(文字を操る 言語を操る)は、側頭葉に貯蔵されているので、例えば親の顔・子供の顔を忘れてしまっても料理が作れたり編み物はできるといった症状がありえます。 で、もう一般常識になっていると思うのですが、前頭葉は人格の座(機能)です。 ワーキングメモリーと隣接し、脳の各所から入力を受けて、それらを一時的に展開しながら一元的な判断を下すわけです。 この時にどうにも複雑だったり、どちらともとれる情報はワーキングメモリーに展開した情報だけでは出力するに至らないということになります。 (戸惑い・迷いが残っている) このとき、過去のパターンとの照合が行われるわけですが、その場合に活躍するのが大脳辺縁系です。 エピソード記憶(海馬)は例えば強烈なトラウマ体験などで類似状況を感じ取るとフラッシュバック(追体験)を創出することで知られています。 それほど極端な場合でなくとも真剣に考える(悩む)時には、(ネズミと言うご先祖様から伝来の)大脳辺縁系の助けによって、「判断」に至るのです。 辺縁系はいわば "情動脳"(感情の脳・本能的意志の脳)ですので、ここから働きかけられる修飾は、判断・決断にとても強力な援軍となります。 時には理性的判断を歪めるほどに。 ああ~やっとバイアスのところに辿りついたぁ ^^ バイアス 斜線, 傾向, 性癖; バイアステープっていえば、洋服の袖縁を滕(かが)ったりするテープです。 これを見て思うのは、縁取りとして解(ほつ)れをなくするという機能と共に 裏(wrong side)と表(right side)をしっかりと区分けするという意味合いを感じてしまいました。 (別に単に象徴的なものを、私が 感じたに過ぎない感想です) 一方 音声磁気記録で使われるバイアスというのは、記録品質を安定させるために使われます。 人間の可聴域20KHzの約5倍の周波数のバイアス信号(いわば聞こえないノイズ成分を計画的に重ねる)を、元の音声信号に重ねて記録することで磁性体のヒステリシス損失(磁化方向依存性)を押さえ込むのです。 適切な図がかけないので、言葉でたとえると うねうねとまっすぐ進まない車をまっすぐ進めるには右へ左へハンドルを小刻みに切る必要があります。よちよち歩きの赤ちゃんを両手を離しながらすぐ横でいつでも支えられるようについてあるきますがそんな感じです。 大きな音(信号)は簡単に磁気信号として記録されますが、小さな振幅の音はそうは行きません。 そこではバイアス電流による小刻みな磁化を通奏低音のように流すのです。 そうして(比喩ですが)磁石から静止抵抗を減じて滑りをよくし、正しい信号レベルとして記録されるようにするのです。 余談(別ウインドウで開きます) コンパクトカセット - Wikipedia COBS ONLINE:20世紀の発明品カタログ 第5回 「世界のSonyへの第一歩“テープコ-ダー” 誕生秘話」 (本題の)脳みそでの情報処理におけるバイアスの役割は、好き~嫌い/ 善い~悪い / 正しい~邪(よこしま) / 希望~絶望 / 味方~敵方 といった認知の安定(判断のための補助的ノイズ)を発することです。 これは主に扁桃体(ここは大脳辺縁系の いわば情動反応の電源)によってまかなわれます。 動物から扁桃体を切除すると、オスに対してオスが性行動を起こしたり,糞便を食したり、天敵を怖がらないなどの行動異常が生じます。 扁桃体の総説・解剖・構造機能障害例(男性脳≒自閉症)の説 人はなぜ愛するか・愛情 扁桃体の高さ(前頭断面) autism こうして羅列すると、人間に特徴的な 「左脳・右脳の機能局在」 は、前頭葉(理性)+辺縁系(記憶と情動)によって支えられているのだなぁ。 と思うのです。 一般的傾向として、女性は男性に比べて脳容積がコンパクトで言語能力に優れるという特徴があります。 これは,左右大脳半球を連絡する交連繊維(最大のものは脳梁)が相対的に太いことと関係があるとも説明されます。 冒頭の言葉の例 「~だから」 「~のせいで」 「~のおかげで」 といった、いわば理由バイアスは、 男性では 相手への説得に ── つまり自己内のバイアスとは直結せずに使用(or 認識)され 女性では 自己内バイアス表明 ── つまり共感 あるいは敵意 の存在表明に使用される ざっくりとした夢みたいな想像ですが、私はそう夢想しているのです。 よかった~ duality カテゴリに収まった ^^ 一時は pre/pro カテにゆきそうだったもんなぁ。 ・・・ あとで読み返したら,非公開になりそうだから、読み返す前に投稿しちゃお♪
post at 2006.07/18
last edit at 2006.07/19
by bucmacoto
| 2006-07-18 06:21
| duality
|
Comments(8)
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harusion11 at 2006-07-18 23:41
女性は男性に比べて、左右の大脳半球を連絡する交連繊維が相対的に太いので
かな~り、おしゃべりが得意ってことがよくわかりました。 久々に、講義室で勉強した気分です。 今さらながら、賢くなりそう。。。 ものすごく、あのときから 時間が経っていますので 記憶中枢の部分がだんだん欠落していってるのがひしひしと感じられるこの頃です。 少し、刺激しませんと。。。 余計、剥がれそうな気もしますが。。。笑
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bucmacoto at 2006-07-18 23:56
★ haru さま
> 久々に、講義室で勉強した気分です。 自分なりには "妥当な知" を寄せ集めていますが、レベルの保障はありません。(無印れーべるでお受け取りください) > 記憶中枢の部分がだんだん欠落して・・・ 実は私、記憶は分散処理系(集中的な中枢がない)っていうのが持論です。 ↑ もちろん えびでんすなしです。 < 私ゃ,えーびーでんす (爆)
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harusion11 at 2006-07-19 00:06
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bucmacoto at 2006-07-19 00:14
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harusion11 at 2006-07-21 00:05
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bucmacoto at 2006-07-21 00:25
★ haru さま
オマールエビ (?_?)ナンダロウ < さっそくググった ^^; ロブスター級のやつでしょうか? クリームソースかけたエビって好きなのですよ。< お呼ばれ以外では食べれない人 w
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harusion11 at 2006-07-22 00:51
くふふ♪
はい、あの立派な爪 あるやつです 笑 いいですね! クリームソースかけ。 haruはチキンをカリッと220度くらいでグリルで焼いてクリームソースかけます。 って、あれ? いつからお料理教室に。。?笑
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bucmacoto at 2006-07-22 08:09
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