- 北の空からみなみへ -
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タグ:おとぎばなし ( 7 ) タグの人気記事
どっちがどっち? どっちもどっち!
2008年 07月 08日
クリス君が顔を高潮させながら主張しています。

「天国はきっと、とても暖かいところに違いないよ。
 これは科学的な結論なんだ。
 だって暖かい空気は軽いから、上へと上がってゆくんだよ。
 煙突からでる煙を見ると、よくわかるよ。
 天を焦がすような火山の煙を目にすると、疑う余地もないよ。

 天国は、きっと、常夏の南の島 みたいに暖かいんだ。」


ジーザス君はいつものように反対意見を唱えます。

「天国は涼しいところなんだと、僕は思うよ。
 遠くに見える山の雪は、高いてっぺんほど後までとけないじゃないか。
 リフトで昇る山頂のゲレンデは、ふもとの場所より寒いじゃないか。
 灼熱の地獄って言うよね?
 天国ってのは、地獄とはまるで反対 だと思うんだ。

 だから天国は、寒いくらいに厳しい涼しさの場所にあるんだよ。」


マリアちゃんは微笑みます。

「天国ってきっと、雨もない嵐もないそういう場所よ。
 飛行機で空に昇った時に、よくわかったの。
 真っ暗なくらいに 厚い雲でも 風雨でも、
 雲の上に出てしまえば、いつだってお日様がさんさんしてるの。

 きっと天国って、いつもいつまでもいいお天気の場所なのよ。」


三人とも互いに一歩も譲りません。

三人の脳裏に浮かぶのは、

 「何とかして正しいって証明できないか」

ということばかり。


そう思いつめて、他のふたりの顔を見たなら、つい声がでちゃいました。

「自分で死んだら、天国にはいけないんだって!」3

  はっぴぃアイスクリーム

(同時に同じ言葉を発した時に、先にこれを言うとアイスをおごってもらえると言う子供のスラング)
全国に、多数のバリエーションがあると思われる


   同主旨の別意趣な記事 : Green Label
post at 2008.07/08
last edit at 2008.07/12

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by bucmacoto | 2008-07-08 19:44 |   illusion rhapsody
for seasons (夢想詩)
2006年 09月 01日
春が王女さまの季節なら、秋は女王さまの季節です。
かつて白く濁った空も澄み、藍より青く染まります。
花冠(flora / callora)の黄色も、王冠(crown)の金色もないけれど、
桂冠(ローレル)と楓の鮮やかさをと共に進むのです。

夏が王さまの季節なら、秋は女王さまの季節です。
灼熱の太陽から、静謐の月光へと、雨降るごとに波打ちながら、
強烈な鮮烈な刺激を呑み込んで、メランコリックに消化します。
金色の季節から銀色の季節へと、食器の色に似つかわしく。

冬が将軍の季節なら、秋は女王さまの季節です。
シベリアモンスーンを迎える前に、しっかりと刈り入れの時を。
南洋タイフーンを受け入れながら、がっちり災いへの気構えを。
紅く黄色く燃える山々を越えて来る、白い季節をおそれつつ、焦がれつつ。

秋が女王さまの季節なのは
 冬将軍には女王の導きが必要だから
秋の空が青くて高いのは
 春の儚さ眠たさは繭だったから
秋の天が急に移ろうのは
 夏の烈しさを忘れられずに

秋の地が豊かに実るのは
 太陽の恵みを地球と月とに分け与えるがため

post at 2006.09/01(luna creciente)
last edit at 2006.09/02


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by bucmacoto | 2006-09-01 23:56 | wave
つかずはなれず
2006年 03月 07日
いつか満ちるよ

やせ細りながら お月様は言いました。

か細くなったお月様には 大潮を起こす力はないはずなのに。

力と輝きは尽きたはず。 なのに それでもお月様はいいました。

「ボクがやせこけた分だけ 君は丸くなるがいい。

 ボクがまん円なら 君は真っ暗けになってしまう。

 だってボクと君とは 向かい合わせなのだから。」



お月様の君は、地球くんだったようです。

月と地球は、つかずはなれず
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by bucmacoto | 2006-03-07 21:58 | wave
三神
2005年 09月 18日
天の神は叫んだ

 私が源初の者だ
 宇宙を統べ
 星☆を生み
 背景輻射と
 ダークマターと
 永遠の謎とを包含する

 私が最高位の神である


地の神は言い返す

 私こそが肝要な神である
 人間という生物が存在してこそ
 宇宙も
 空も
 観察され
 記述され
 賛嘆される

 地球なくして宇宙など
 絵に描いた餅である


海の神も負けてはいない

 人間などと言う小賢しい生き物も
 あやつらの生存を助けている
 全ての生命も
 いのちのゆりかごなくしては
 ありえなかった
 そしてこれからも存在しえない

 他の乾燥惑星にはない生命の宝石箱
 地球の半分以上を占め
 全ての生命の根幹たるものが私である



でも そっと海の神は呟くのです
 ほんとうは,
 私なんて地球の上にのさばった
 大きな大きな水溜りに過ぎないのよ

それを知らない地の神は嘆くのです
 海は生命のゆりかご
 まさしく母なる海は 命をうむ
 空は星々の故郷
 星が全ての原子を合成する
  ・・・
 ボクなんて始まりでもなければ
 終わりですらないんだよな

知ってか知らずか天の神はうつむきます
 全くのおわらいぐさだな
 小さかった頃は熱いばかりで
 インフレーションで急に育ってからも
 その時の姿と何ひとつ変わっちゃいない
 少しはさめたと思ったが
 オレはいつまでたっても
 自分が中心のままなのさ

out of field
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by bucmacoto | 2005-09-18 00:37 |   pre/pro
あすなろの最期
2005年 07月 31日

あすなろの反逆の続編です。

初稿;2005/07/31 15:33:33


じいちゃ~ん♪ 貰ってきたよ~♪♪
ふぅふぅ息を切らせながら、ネコ車の一輪車を押しながら、
自分の上半身ほどもある三枚の厚手の材木を運んできました。
よいしょぉっ ♪
額から流れた汗が目に入るのか、それとも大人のしぐさを気取っているのか
その子は右目を細くしかめながらネコ車を置いて腰を下ろします。

少しだけ背中が丸く、それでも肩から二の腕(上腕)にしっかりした筋肉を盛り上げて、
ほとんど白髪になった男は、ちらりと視線を送っただけで 自分の仕事を続けます。

「こいつはヒバだな」
ヒバってヒノキじゃないの?
「あすなろ(翌檜or翌桧)とか,ひのきあすなろ(檜翌桧)とも呼ばれとる。
 ヒノキ科あすなろ属。 ヒノキほどの光沢はない。」
あすなろって落ちこぼれなの?
「・・・風呂,入ってくか? 汗かいたろう。」
問いかけをはぐらかされた気がしましたが少年は頷きました。


「ヒノキはなぁ,火を熾(おこ)しやすい樹木なんだな。
 樹液には虫を寄せ付けない "ヒノキチオール" っちゅう成分がある。
 蒸発するってえと "フィトンチッド" とも呼ばれる森の香りになる。
 なんつうか・・・さっぱりした気分にさせてくれるんだな。
 黄色がかった白で緻密で光沢もあるし、耐久性も たんと(たっぷり)ある。
 建築材として一番いいともいわれるけんど、風呂桶なんかにもいい。
 別名を『真木(まき)』とも呼ぶ。
 奈良とか京都の古い仏像なんかはヒノキで作られとるわ。」
「一方のあすなろは淡黄色 - つまり白い光沢はヒノキに敵わん。
 んで、建築、土木、船、車両、漆器に適しとる。
 なんちゅうか表を飾るには向かないけんども、裏方を支えるには一番じゃ。」
・・・(ふーん、じいちゃんネットで調べたのかな…  :-p )
少年は首を傾けて右耳を下にしながら男の言葉を噛み締めます。
「おまえに壊される舞台から廃材を貰ってこさせたのは、まあヒノキ狙いじゃった。
 舞台の最前列で見得を切る - その役者ん足元にはヒノキ舞台からの照り返しがあるもんなんじゃな。」

男は、言葉に全音符くらいの休符を入れた。

「・・・ あすなろは華やかな舞台を飾れんでの。。」
僕はどうしてあすなろなんか持ってきちゃったんだろう ? ごめん
男はゆっくりと少年の瞳を覗き込みます。
少年もしっかりと男の少し色素の薄くなった瞳孔を見つめ返します。
「そうか?」
うん...(悪かった? 知らなかったんだ...)
「"あすなろなんか" じゃないさ。
 あすなろだから、ヒノキほどは柔らかくもない。
 舞台裏か舞台の片隅で、役者の足に踏まれることも少なくて大道具がいつも乗っかっている,
 そんな生活をこのあすなろは送ってきたんじゃろうのぅ。
 傷みきって割れたヒノキ板なぞは持ってきても、文字通り"まき"になるのが落ちじゃったろうて。」

そう微笑んで男は中型のふたつの薪をくべ(投げ込み)ました。

「あすなろには伝説があるんじゃな。
 あすはヒノキになりたい。 あすこそなろう。
 だから、あすなろなんじゃと。。。
 そんなことは人間の心が、勝手に作り上げた幻影じゃて。
 ヒノキが一番だというのも、あすなろはヒノキになりたがっているというのも、
 全ては人間が勝手に思い込んだことじゃ。
 あすなろはあすなろじゃ。 ヒバなんじゃ。
 ・・・ まぁ,名前なんてのも区別するために勝手に人間が付けたもんじゃがのぅ。
 ともかく、あすなろはヒノキの落ちこぼれでもなければなり損ないでもない。
 立派な一人前の樹木なんじゃと思うとる。。 それで良くはないのか?」
デレキ(火掻き棒)で、くべた薪をごそごそさせながら男は続けます。
「あすなろはヒノキにはなれん。 これは人間が神様になれないのと同じことじゃ。
 似てはいても、違っている。
 違っていても、ほとんど同じこともたんと(たっぷりと)ある。
 そりゃあ、昔の人は死んだ人間も偉い人は神様になると思っておったらしい。
 逆に偉い人間は、神様がこの世に生れなおした姿だとも考えたようじゃ。
 わしには神様のことはようわからん。
 死んだばあさんもあるいは神様の末席に鎮座しておるかも知れんが、
 そうじゃったらいいなぁと わしが勝手に思いたいだけのことじゃ。
 ばあさんは、生まれ変わりとか天国とかが好きじゃったからのぉ。
 ほかの誰もそう思わんでも、わしの全部がそう思えんでも,
 わしの中のどこかにそういう気持ちが消せずに残っとるんじゃなぁ。
 うん? わしか?
 わしは死んで、燃やされて、二酸化炭素になってもう一度 樹木に吸い込まれて...
 それで充分じゃ。
 別にその木が仏像とかにならんでも構わんわ。」
少年はなんだか気持ちが軽くなって男に尋ねました。
ぼくね、、、ねえ、ぼくのこと何か聞いてる?
男は視線を風呂釜に向けたまま言葉を選んでいるようです。
「・・・おまえの母さんが言っておることは、わしにはようわからん。
 その…おまえも気づいとろうが、上げたり下げたりが激しすぎるんじゃな(笑)
 ばあさんもそうじゃったが、女子(おなご)にはそういうのが多いのかも知れんて。
 とうさんから聞いとるのは、運動で頑張ったときは一等にもなる。
 勉強したときは良い成績もとってくる。 じゃがそれが続かん。とな。
 頑張りが続かんだけじゃなく、ただ学校に行くことも続かんようになってると。。
 わしが聞いとるのは、そんなところじゃ。」

少年は右の耳を風呂の水に沈ませながら尋ねます。
そういうのって、落ちこぼれって言うんだよね・・・?
「さあな。 よう わからん。
 風呂の浴槽に、大きさを越えるだけ入れ過ぎようとしても零(こぼ)れるだけじゃ。
 穴のあいた浴槽に、水を張っても抜け落ちるだけじゃ。
 じゃが、人間は浴槽じゃのうて 生きておるもんじゃ。
 伸びもするし縮みもする。
 できるようになるばかりじゃなく、できないようになる事だってある。
 そして、樹木みたいにひたすら伸び続けるよう願ったとしても 根を下ろさずに消えてしまうことだってある。
 トーマス・エジソンという発明家も アルバート・アインシュタインという物理学者だって学習障害(LD)じゃったという。
 どんなふうに育つのが良いのか、いつ伸びるのか、どのくらいの花を咲かせ実を結ぶのか,
 そんなふうに考えてばかりいても自分にしっくりくる答えは見つからんじゃろうて。
 かあさんの答え,とうさんの答え,わしの答え,ほかの誰かの答え...
 たくさんの答えに迷い続けて動けなくなるくらいなら、いっそ答えなんてないと思ってみるも良いのかもな。」
・・・
「南洋の樹木はすくすく育ち、年輪もほとんどない。 そして軽い。
 北の樹木は、太陽の光が傾いて北風が吹き付けるたびに 成長できなくて年輪を重ねる。
 ゆっくりと、じゃが少しずつ、そして重くともしっかりとした木質を身につける。
 あすなろがヒノキに比べるとゆっくりとしか成長できないように、代わりに身に付くものもある。
 わしが思うのはそういうことじゃ。」
ぶっくぶくぶぶぶ。。。○○○
鼻から出そうとした空気が目に抜けそうになって、少年は目をこすります。
「おまえの貰ってきたあすなろは、そうじゃな、椅子にしようかのう。
 切り出されて何年も経った木材は、寸法が狂わないんじゃよ。
 なんというか・・・すっかり狂い尽くした後だからか、充分に乾燥と湿気に晒されたからか。
 こんなすばらしい材料はもうわしが生きておる間に目にすることはなかろうと思うくらいじゃ。
 わしはへたくそじゃから、時間をかけておまえさんの苦労を無駄にせんようにのぉ。」

雲間に月が、顔をのぞかせて微笑んでゆきます。
ぱちぱちと音を立てていた薪も、いまは静かに炎をくゆらせます。
炎に照らされた男の顔は、ほんのり赤く,
影に隠れたあすなろの木も、今は心静かに眠りについたようです。

陽の当たらない役も、スポットライトを浴びんとした情熱も、この先は尻に敷かれる運命も,
いまのあすなろ君には
『まぁそれもいいや~ぁ。ね♪』
と思えるのでした。
- fin -


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by bucmacoto | 2005-07-31 15:30 |   retro/post
白投稿 ~ あすなろの反逆
2005年 06月 12日
百歳の一歩手間が 白寿だといいます。
百本投稿の手前 九十九本目の投稿なので 白投稿...(う・・・こじつけ ^^)

11本目の投稿 あすなろの行方_ の続きです。
初稿;2005/02/19 00:16:03


あすなろの反逆
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by bucmacoto | 2005-06-12 22:24 |   retro/post
あすなろの行方_
2005年 03月 02日
インフォ・プロフの友人へ贈った作品
明日は ひのき に なろう
 いつも いつも あすなろの木は 考えていました
みんなの 役に立つ ヒノキに なりたい。

お月様 お願い. お星様 かなえて.
 お月様は 静かに笑っています.
 お星様は 微かにウィンクだけ.

その夜 夢を 見ました。
 ☆を杖の 先に点けて 月のマークを 額に付けて
 その おじいさんは 言いました。
  おまえは ヒノキには してやれない.
  かわりに 今夜だけは 夢を叶えよう.

ひのき に なった あすなろは ちょっと びっくり
 朝早くから 人々が 枝を求めて やってきます.
  暖をとる 火をおこす ために.
 お昼近くに 二日酔いの おとうさんが ヤニを求めて.
 夕方には 料理中に火傷した おかあさんが 塗り薬に.
 さらに夜になっても 風呂桶の修理に 切り出され ...

 これまで 役立たずでいた 自分の幸せを 再認識

目を覚ました あすなろは 思いました。

 あすは もしかしたら ひのきかも知れない.
 今日は あわてないで あすなろしていよう.

 だってね ・・・ こう 思ったので、

ひのき って たいへ~ん ♪

   お し ま い

((C) written by maco to hakulaw


ひのき
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by bucmacoto | 2005-03-02 19:32 |   retro/post