2008年 03月 20日
中学だったか高校だったかその後だったか忘れてしまったが、「ウイルス」についての本を読んだ記憶がある。 まだ ビールス とか ヴィールス という表記が多かった時代だ。
講談社ブルーバックスの 「生物と無生物のあいだ」 という本だった(記憶では)。 自己を増やすことが生命の究極の目的だとするなら、ウイルスは生命であるといえる。 生命と物質とを線引きするときに、周囲の物質を取り込んで自分の血肉として自分を成長させ、分裂し増殖するならそれは生命体(生物)と呼べるだろう。 物質を代謝することで、生命体は成り立っている。 ところがウイルスは核酸の塊にすぎない。 それでありながら他の生物に寄生して(取り込まれて)DNAに侵入し、寄生先の細胞の機能を拝借して自らの遺伝子を増幅させる。 自前では何一つ代謝機能がないウイルスは、寄生先の制御機能を乗っ取り あるいは騙して遺伝子の発現を暴走させ、その代謝機能で自分を増幅させる。 【庇を貸して母屋をとられる】という状況をつくりあげるさまは、芸術的詐欺師である。 かつてコンピュータの中で、ウイルスといえば 他のプログラム中に【寄生】して増殖するものを指した。 フロッピーの(起動用)ブートセクタに潜むもの、システム(IO.SYSやMSDOS.SYSあるいはCOMMAND.COM)に感染するもの、そしてファイルの亡霊(システムから不可視なのに、ディスク領域にはある)となって潜むものだ。 寄生する先によって分類されていた。 そして、ネット時代になって多くのウィルスが爆発的に観測されるようになる。 古典的なウイルスは何かしらのファイルなりセクタなりに自分を組み込んで、そのプログラム実行機能に便乗したり悪用するものだった。 ネット時代になって、ワーム(Worm:独立したプログラムとして動作)が増えた。 ワームは他のファイルに感染(書き換え)はしないが、勝手な増殖とあちこちに悪さ(転移)してしまう。 そういう区分では、ウイルスは寄生プログラムであり、ワームは独立プログラムであるのだ。 勝手な増殖・転移といった、がん細胞ににも似た挙動を示すのが、ウイルス扱いされるプログラム達。 その一方で、がんとまでは言えないものの不正なプログラムに該当するものも増えた。 ひとつはスパイウエア(Spyware)でありPC情報をこっそり送信する。 いまひとつはアドウエア(Adware)であり、PCに強制的に広告を表示する。 ブラウザのホームが(知らぬ間に)書き換えられたり、不意にポップアップ表示がされるやつだ。 このあたり、PC暦が長くなると遭遇しているいるはずなのに、意外と正確なところは知らないままになりやすい。 私だって、日経バイトとか定期購読を止めてから12年以上になるから、新しいことはほとんど【わかったつもりになってるだけ】である。 そんなんで、ごく基本的なウイルス講座リンクを書いておく。 私が、まったくPCを断っていた頃に書かれた記事だ。(5年ほど前) トレンド・マイクロ社によって書かれた、アスキー24掲載記事である。 ウイルス対策はこれでカンペキ! 第6回 バックドア(別窓) 誰かも書いていたけど、なかなかにかわいいイラストでウイルス君が描いてある。 第10回 KLEZ その2 (この窓) 飛び先記事末尾で、講座のリストが一覧できます。
by bucmacoto
| 2008-03-20 13:05
| quote/data
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Comments(2)
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MemenCrital at 2008-03-20 14:54
ウィルスやワームの定義を越えて、製作者のアイデアが色々なものを取り込んでいきますねぇ。
ある意味では誉められたところもあるけれど、ばらまいた後のことまでは関知してないだろうし。そういうのつくれちゃう人たちってば。 ネットが広がれば広がるほど多様化してゆくのは何であれそういう流れなんでしょうかね。 皆にとって役立つものもあれば、使い方次第で害を広めるものもあると。 あ なんでもそうか^^;
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bucmacoto at 2008-03-20 18:09
〇 めめん さま
そこに山があるから、登りたくなってしまう。 そういうものでしょうね、登山家も科学者も技術者も。 つくった後の事まで考える(副作用や副産物や悪用までも)ってのは、傍目で声を上げたり後から解説するのは容易なのに、渦中にいるときには難しいものです。 これは、開発とか発明に限りませんが・・・ Winny判決に対する反発論調にもありますが、「ダイナマイト発明したノーベルは無責任な犯罪者か」 「速度違反を可能にする自動車やバイクを製造したり、高速道路を設置した国土交通省大臣には責任を問えるのか」みたいな面があります。 まさしくそうですね > なんでもそうか^^; (狭義の)ウイルスの特徴は、ウイルス作成者は「自己のプログラミング能力の誇示」「作っちゃったものがどれだけ通用するか試したい」っていう衝動で、世に流しちゃうんでしょうねぇ。
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