2007年 12月 05日
25年ほど前、日経サイエンスコラム「数学ゲーム」(マーチン・ガードナー執筆)の中で、
「どうしてエレベーターは、同じ方向にばかり偏るのか? という問題があった。 まずはこちらでシミュレートしてみよう(笑) → エレベーターシミュレーション 悪趣味な冗談はさておき、先の問題はシミュレーションをしなくても、M.ガードナーの解説だとよく理解できた。 彼ほどの説明はできなくても、とにかく一応の説明をしてみよう。
これは単純だ。 ドアが開いている時間を除けば、20秒と5分という待ち時間の差がある。 ところが、上に行くエレベーターを待つ時間 と 下に行くエレベーターを待つ時間 は "同じ" だ。 ちょっと考えると気づくのだが、どちらにしてもひと回りしてくるサイクル(ここでは6分間)は一定なのだから当然だ。 平均待ち時間に差はない。 違いがあるのは、待っている間に反対側へ行くエレベーターに遭遇する頻度だけだ。 平均してしまえば2分40秒の待ち時間であるとしても、その待つ間にエレベーター前に到着して反対方向のに出会う確率はずいぶんと違ってしまう。 片や5分で片や20秒なのだ。 複数のエレベーターがなぜか一斉に同じ方向に動くようになりやすいのは、これとは別の理由だ。 渋滞の理論と同様なメカニズムが働いている。
この高速道路の例と似た状況がエレベーターでも生じる。 最初は半分のサイクル(ここでは3分)だけずれて運行して平均待ち時間が2分10秒であったエレベーターも、一箇所で時間を手間取ると、次のエレベーター到着までの間隔が縮む。 追いついてゆくエレベーターは待ち時間の少なかった人を乗せるので、より短時間でドアを閉めて次のフロアに昇降する。 先行のエレベーターとの間隔は徐々に詰まってゆく。 最終的には互いに抜きつ抜かれつしながら運行するので、昇りのあとにすぐ別の上りが到着するという渋滞エレベーター状況ができあがる。 まるでカーチェイスみたぃに、抜きつ抜かれつになってゆく。 にしても10F規模のエレベーターで、フロア間が瞬間移動であっても6分もサイクルが必要なのはちょっとだけ驚きだ。 大きな荷物とべビーカーなどの組み合わせで、間を詰めたりしているとすぐにも20秒が30秒になり40秒になる。 隣のエレベーターはその間に1フロア近づいてくるのだった。 3分程度は平気だが、5分となると長い待ち時間と感じる。 しかも満員でやりすごすことが2度もあれば、私はしびれを切らしベビーカーを押していようとエスカレーターに向かってゆきタラップに後輪だけのせてエスカレーターで移動していたものだ。 (妻や妻の親は繭をひそめていたが) そうそう、エレベーターは、エレベータの落下防止安全かご開発者 オーチス社の名前に 「オーチス・エレベータ」 そして 「エレベータ協会」 とあるように長音を使わないのが本体の形式であるとオーチス側は思っている(らしい)。 メーターをメータと、ディレクターをディレクタと、長音を使わないほうが外国語っぽい言葉になれた雰囲気を出せるのかもしれない。 電子工学部品など、メモリーはメモリに、ドライバーはドライバに、ルーターはルータにと切りをよくしたほうが通っぽい感じがするのか好まれる。 なんにせよ単純に思えるエレベータやエスカレータも、軸索交換や駆動機構交換などの数百万円の改修をくりかえして運行されているわけだ。 基盤を支える技術者の力量が発揮できる作業環境+提言環境(フィードバック)がより安全と安心につながってほしいものだと思うのです。 post at 2007.12/06 last edit at 2007.12/09 現在上昇速度世界最高 → 台北101 下降最高速 → 横浜ランドマークタワー TrackBacked to 自戒録 by hito von Frizburg : 【エレベーター】 どっち派 【エスカレーター】
by bucmacoto
| 2007-12-05 02:34
| wave
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