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帰ってきたTBリレー小説 『Peach Boy Episode2』 第8話。
2007年 04月 13日
これまでのお話=帰ってきたTBリレー小説 『Peach Boy Episode2』 第7話。

ここまでの登場動物

ケン : きじ(最初の旅のお供)。 離別した妻はメリーという。 愛舟はスカイラインだった。
ケンケン : いぬ(最初の旅のお供)。 忠犬を装うのが巧み。 かすれた笑い声に特徴。
コッケロ: さる(最初の旅のお供)。 かつての物真似世界王者。 ニワトリと勘違いされると激怒。

ここまでの登場植物

桃 : もも。
李 : すもも。
ピーチ : もも の英名。
プラム : 李の英名のひとつ。
さくら : もも や すもも とは近縁関係にある(バラ科サクラ属)。
うめ : すっぱいと言われるが、生には酸味はない。 ただし生には毒がある。

ここまでの登場人物

桃太郎 : ももたろう。 すもも太郎とは一字違い。
李太郎 : すももたろう。 ここまでその正体を描き上げたものはいない。
おじいさん : デスラー似(ガミラス星系譜)といわれるが、その姿は未確定。
おばあさん : スターシァ(スターシア:イスカンダル星系譜)だそう。 < これは確定。

勝手ながら想像図。。。(人権保護のため一部にモザイクがかけてあります ^^;)
帰ってきたTBリレー小説 『Peach Boy Episode2』 第8話。_c0062295_20531441.jpg帰ってきたTBリレー小説 『Peach Boy Episode2』 第8話。_c0062295_20534050.jpg
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ぼくは、行くしかない。 それしかない。
ぼくはぼくを救うために、鬼ヶ島へゆくのだ。

半ば途方に暮れながら、そう自分に言い聞かせながら、時には口から言葉を溢(こぼ)しながら、桃太郎は海辺へと向かっていった。

最初の旅のときに、桃太郎の力強い助けとなったお供は既にいない。
そしてそのお供を得る力となったキビ団子、それは今回の旅の手土産にはないのである。

海辺の岩場にあたりからは見えない、そして水平線はしっかりと見据えられる場所を探して、桃太郎は腰を下ろした。
人目をはばかるそのわけは、桃太郎自身にも定かではなかった。 しかし 【人の世の生き血をすり、不埒な悪行三昧】 をしてきたのが鬼であるから それを退治するのだという高揚感に満ちた最初の旅とはおのれの気持ちがすっかり変わってしまっていることに戸惑いもあった。
なにより、ふと気付くと青鬼であるかのような姿形のおじいさんに自分は育てられてきたこと。 そして自分よりももっと色の赤い李太郎は、間引かれ幽閉されそして鬼ヶ島の鬼門を解き放たれると同時に逃げ出したこと。 そういったさまざまな符号が今ひとつキレイにすっきりとは結びついておらず、また謎が解(ほぐ)れてはいない事に桃太郎自身が気付いていた。

桃太郎はおじいさんから手渡された手紙を取り出した。
お腹がすいたのだが、袋の中にはキビ団子はもとより あめ玉のひとつもなかった。

デスラーそっくりおじいさんからの手紙
桃や、お前はこの手紙どこで読んでいるだろうか。
太巻きを食べながら? それともお稲荷を頬張りながら?
郎党を組めずに、徒手空拳でお前の再訪した鬼ヶ島での戦いを思うと、じじは胸が苦しい。

知ってはおるまいが、お前に伝えておく。 前の旅路に持たせたキビ団子を覚えておろう。
っ当な者なれば、あのキビ団子に魅入られることがいかに危険極まりないことか、
ていねいに考えれば判る事であったのじゃ。
いまではすっかり往年の姿を隠してしまった スターシア(スターシァ)ばあさんの特製きび、鬼
るーとの通行証、そしてみっつのしもべを呼び寄せる魔法の媚薬。。。
かのキビは、実はエクスタシーと異名を持つMDMAそのものなのじゃ。

赤いキビは覚醒度をあげる、そう 覚せい剤のように。
鬼と戦うときに必要なチームワーク(共感力)も著しく上昇する。
はげしい恐怖と絶望に際しても、けして諦めることも投げ出すこともない、不屈の恍惚人・・・

李はのう、その脳内麻薬(オピオイド)を放出する天性の力を有しておるのじゃ。
したがって、もしも鬼ヶ島に李太郎がわたっているのなら、
かつての盟友、すなわち キジ・サル・イヌ の3匹には、鬼籍に入ったと同時に鬼に
食らい尽くされたと思うべきじゃろう。
べつの仲間をさがすがよい。 かの3匹の後釜では勝てぬ。
なにがあっても、キジを仕留め、サルを黙らせ、イヌに尻尾を巻かせられる仲間をじゃ。
いくがよい、桃。 李の暴走を止めるのも,連鎖反応の制御棒を溶融させるのもお前次第じゃ。


一読した桃太郎は、深く長く吐息を漏らす。
腰掛けた岩の横には緑の苔が、巨大な鱗のような模様を織り成していた。

『ああ。。。この岩の冷たさも 苔の温もりも 波が飛ばす水しぶきですら、ぼくの尻に火をつけることはもはやできないのだ。』

その手紙は、ナナメに読もうと、尻から読もうと、ヨコにしようと、書いてあることは同じであった。
おじいさんから、桃がたった一つできること・・・と言われたこと。
その真意を桃太郎は量りあぐねていた。

夜のとばりと共に、こしかけ岩は冷たくなった。 桃はその冷たく重くなった尻を持ち上げた。

『ぼくの尻は、突つかれたり温め過ぎたりすると、腐るからな。』

 そして水平線の彼方に尖った角の形をした岩をそびえさせる奇岩の城砦・鬼ヶ島に向かって叫んだのだ。

「ぼくが行く。 きっと行く。 だから、待ってろよ~~っ!」



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帰ってきたTBリレー小説 『Peach Boy Episode2』 第7話。よりトラバ
by bucmacoto | 2007-04-13 21:30 |   illusion rhapsody | Comments(6)
Commented by earll73 at 2007-04-13 22:34
うはー、うまい!
桃太郎はおじいさんからのメッセージに気付くのか・・・?!
Commented by bucmacoto at 2007-04-13 23:29
≫ バント さん

ども!
ほめられて見直したら、人称のばらつきあって手直ししちゃいました ^^
Commented by sabretoothjapan at 2007-04-16 19:44
とりあえず、つないでみました。今度はきび団子持っているのが犬っていう展開、どうかなあ。
Commented by bucmacoto at 2007-04-16 21:35
≫ sabretoothjapan さん

おお! またもつながりましたねー♪
ケンケン似の売人(犬?)ですか。 わくわく。
薬効が違うか同じなのかも興味深いところ。
・・・犬のお供をする 桃太郎ってのもあり?

( ̄∧ ̄)人@(o・ェ・o)@人(゜Θ゜)人U。・ェ・。U 桃太郎登場♪ < ななんじゃこの変換 w
Commented by kozutuming at 2007-04-18 21:13
どこまでも手の込んだことを! (by 山田奈緒子)
Commented by bucmacoto at 2007-04-21 17:41
≫ kozutuming さん

山田奈緒子 それが本名でしたか!< 大うつけ(笑)
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