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放射線防護の基礎
2011年 03月 28日
昨夏の終盤 ── 夜半をしばらく過ぎるとオリオンが東の水平線から昇る頃 ── 8月も暮れる頃に、なんだか緩み気分というか投げやり気分が優位となって、過剰入力・過小出力状態に陥っている。
情報入出力も接種栄養も、どちらもだ。

情報は、処理されてこそ生きる = 適切な情報処理があってこそ、理解され生かされる

ところが情報を操作する人が介在すると、有用な情報はガラクタに埋もれ、適切な警鐘が大袈裟と言われ、さほどでもない事柄が情動をてこに喧伝されることがある。

情報操作はいけない、適切な処理は必要。

それはしごく当然なこと。
そしてその当たり前のことを、忘れたり、忘れさせたり、という性向をもつ人間が直近の上司などにいるととても消耗するものだ。


さて、放射線の基礎知識はここしばらくの報道量の増加で、ほとんど常識に近いまで断片的な知識は普及したようにも思える。
と、同時に、あまり理解してないままに伝達(報道)していると感じられることもある。

今回の福島第一原子力発電所事故では、地震の二日目だったか、燃料棒由来のものに対し放射性物質という語を用いているのに対し、ちょっと 「ぉぃぉぃ(むかっ)」 っとしたのを憶えている。
原子炉周囲では通常の健全な運転であっても、核燃料が完全に封入されたままであっても、二次的な放射能というのは発生する。それは、中性子によって周辺のあらゆる物質(冷却用の配管や冷却水にいたるまで)わずかに放射化 ── 安定な同位体が 放射線を出すタイプの同位体に変化すること ── するからだ。
そのような二次的な放射性物質と、核燃料由来の物質とを混同させる表現に思えたから、眉間のしわが増えたのだ。 > 核燃料由来の物質(ストロンチウムや放射性ヨードなどは、核分裂生成物)が観測された時点で、少なくともセラミック状に焼き固められた燃料棒の一部は、燃料棒を覆う被覆管の外に漏出していたと考えるのが普通だろう

原子爆弾による被爆国であり、核アレルギーといってもよい心理も存在することに配慮は必要だとしても、核分裂生成物が検出されていながらそれをかなり広い意味をもつ「放射性物質」という言葉で表現するというのはいかがなものかと思ったのだ。(まあ、わかる人にはわかるからそれでいいということなんだろうが・・・)


かつて、日本初の原子力船として開発された「むつ」は、反対運動のさなかに外洋実験を強行し、「放射線漏れ」事故を起こして最終的に実用的な航海をすることができぬままに船の寿命を終えた。
このとき、母港に寄港することすら拒否する運動が繰り広げられ、「放射線の悪影響」「風評被害」を理由に、漁民の懸念をマスコミは大量に報じたものだった。

 放射線が漏れた → その漏洩した線束部分に鉛を貼りましするなりして対策完了

本来はこの程度で充分のものだったろう。
それが放射線と放射能を混同したかのような報道をされて、あの原子力船は配船となった。
まるで、「あつものに懲りてなますを吹く」を地でいったもののように。


放射線 と 放射能とは違うということは中高生でも物理の興味が高い子であればわかると思う。
放射線というのは、一般に「あとくされがない」ものだ。(ただし中性子線は除いてだ)
放射能というのは、放射線を出す物質のことだ。(放射性物質・放射性同位元素と広くは同義)

放射線という言葉は、電離放射線(iionization radiation)を短縮した言葉と思っていい。

イオン(電離)を生じる能力のある、電磁波・粒子束をそう呼ぶ。

電磁波は、波長の長い(=周波数の低い)ものは電波と呼ばれ、人間の目に見える帯域は光(可視光)と呼ばれ、それを超える短い波長(高い周波数ほど高エネルギー)は紫外線〜エックス線・ガンマ線と呼ばれる。すべておなじく光の仲間だが、
 波長が長いほどにすり抜ける性質が目立つ = 波の性質
 波長が短いほどに衝突したり弾きとばす性質となる = 粒子の性質
というのが大まかな性質だ。

波長が長いと通信に使われ電波と呼ばれ、波長が可視光ほど短くないとマイクロ波とか遠赤外線とか呼ばれ、見えないほど短波長だと紫外線とかエックス線と呼ばれるようになるわけです。

エックス線とガンマ線との違いをさっくり書いとくと、軌道電子(原子核の周りを巡る電子)の運動変化やエネルギー準位の遷移はエックス線、原子核のエネルギーを直接放出した電磁波だとガンマ線と呼ぶ < 細かく書くときりがないからこんなもんで ^^;

さて、イオンを作る(物質を電離する)能力があるということで、電離放射線という名前なのですが、電磁波(エックス線・ガンマ線)の他に粒子線といえるものがあります。
 電子が飛び出して来ると、ベータ線
 中性子2個+陽子2個がスクラムしたヘリウム原子核が出て来ると、アルファ線
 中性子が単独で法l出されると、中性子線
  ↑これは厳密には直接的な電離作用がないものの・・・透過性が強くてかなり厄介な性質がある

これらは書き連ねると長くなるからとりあえず割愛しよう。^^;


さて、実は粒子線の中で、ベータ線はアルミ箔で遮蔽できる。透過力はそれほど低い。
そして、アルファ線に至っては、紙切れだけで遮蔽できるほど透過力がない。
接触するとか、吸引するとか、体内に取り込むと大変だが、そうでない限りはちゃんと除染(洗ったり脱衣する)さえすれば、いたずらに恐れる必要はないものともいえる。ただし、線量計がないと見えないために不安を拭えないのが困りものではある。


放射線を出す物質を放射能と呼び、放射線源と呼ぶが、放射能から身を守る三原則は
 ・距離をとる = 1mmと1mとでは、受ける線量は百万分の1になる。
 ・暴露時間を短く = 短間と線量は比例するから
 ・適切な遮蔽体を用いる
ことなのだが、病院で使われる診断用エックス線のような低いエネルギーと違って、高エネルギーなガンマ線では鉛入り防護エプロンなどは意味がない場合が多い。< むしろ皮膚の被爆線量が増加することも考えられる (調べたい人は、ビルドアップ効果 などのキーワードで調べてください)

あ、下宿の風呂の門限が近いので、とりあえずここまでとしよう。

あとは、これらのキーワードをwikipediaで調べたりすると正確なことは理解しやすい・・・かも(笑
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by bucmacoto | 2011-03-28 22:35 | particle
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