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のんべんだらり連休
2009年 01月 11日
よく考えたら、いつも毎日のんべんだらりしているようなものだとも思うのだが、一応は年末年始も24時間休みだったのは2日と4日の2日間だけなので、一応社会のお役に立っているということにしておこう。 (その内実、忙しいとかは口が裂けても言えん状態だということは小声で話すのだ。)

本当はこの連休は待機も解けるので実家にレンタカーで帰るはずだった。
しかし手を傷めた(骨折の疑いも残る痛みだった=過去に手の骨折は経験あり)ので大事をとって運転を控えて自室に篭っていた。
外は吹雪いた後であり、一面純白ではあるのだが正月のときと同じく、一面見渡す限り雲に覆われているので写欲も湧かない。
怪我をしたままスキーにゆくという選択肢もあったが、それはさすがに思い止まった。 実は妹が捻挫の後でそのままスキーに通ったらぎっくり腰になったと聞かされてもいたので慎重になったこともある。

その旦那(私からみると義弟)がスキーの指導員講習を受講するのでスキー靴を新調した。 ということで、そのお下がりの靴が送られてきた。 バックルタイプのSalomon Evolution2と書いてある。 なかなかにいい履き心地のものだった。
 入れてきた箱には、www.langeboots.com の印字と ¥65.650円 のマジック書き。
 さすが指導員取ろうと思うと道具もまともなお値段がかかるらしい。
ちなみに妹の家族は、高1生の娘も含め4人がスキー検定一級を取ってしまった。 若い頃に私がスキーフリークしてたころは 「そりゃ面白いけど、そんなにおカネかけようとは思わないよ」などと言っていたのにえらい変わりようである。(恥ずかしながら私は20年前に2級をシュテムでミスって落としていらい検定を受けていないので無級のままで老いてしまった w)


たっぷりのんびりというわけで、図書館から借りている日経サイエンスを読了できたことは良かった。




 HSP(ヒートショックプロテイン)の記事 熱ショックタンパク質をがんワクチンに 11月号

 下宿の御飯がいいためなのか、寒い部屋の中で暮らしているためなのか、職場の過半数が風邪に罹患しても(その2割はインフルエンザであるらしい)今年の私は風邪をひかないでいる。
 自力のストレス応答というのは、飢餓的な環境下でマウスの寿命が伸びるとか、適度なストレスの波(きゅうっと締まってほっと緩む)があるほうがNK細胞の免疫応答が活発になるとか、かなりいいことずくめのものではあるらしい。 熱ショックに対応して生産される分子シャペロン(社交界デビュー前の付き添いという意味が転じて、アミノ酸から正常なタンパク質分子として折りたたまれて生体内デビューする働きを介添えする役割をこう命名した)には、正常な折りたたみ構造(プリオン)を与える鋳型ともなるし、複合タンパク質へと組上げる触媒としても作用する。 HSPがこれらタンパク質を認識する鍵としているのが、きつく巻きついたり折りたたまれたアミノ酸のほつれ(アンフォールディング)部分だ。 そしてこの性質はがんのような正常な細胞のタンパク質と異常なタンパク質との差異が小さい抗原に対して免疫応答する際に役立つのだという。
 一方でがん細胞のような、遺伝子染色体が異状をきたしてDNA二重螺旋に緩み(これをパフと呼ぶ)があると、細胞のストレス反応を示すHSPを大量に産生しており、これががん細胞のしぶとい生命力・活力の源でもあるらしい。

治療薬の種類(日経サイエンス2008.11 p40)
 【対象HSP】 治療薬名(製造元):対象疾患

HSP抑制:がんや感染細胞が生き残るために利用しているHSPの機能をブロックする
    【HSP90】
  • アルベスピマイシン(コーサン・バイオサイエンシズ):乳がん
  • テインスピマイシン(コーサン・バイオサイエンシズ):白血病,リンパ腫,固形がん
  • CNF2024(バイオジェン・アイデック):白血病,リンパ腫,固形がん
  • SNC-5422(セレネックス):白血病,リンパ腫,固形がん
  • AUY-922(ノバルティス):固形がん
  • IPI-504(インフィニティ・ファーマスーティカルズ):メラノーマ,前立腺がん
  • BIIB021(バイオジェン・アイデック):白血病,リンパ腫,固形がん
    【HSP27】
  • OGX-427(オンコジェネックス・テクノロジーズ):固形がん

HSP発現を刺激する
    【種々諸々】
  • ラジオ波療法:メラノーマ

ワクチン / 免疫療法:抗原ペプチドと結合したHSP抽出し精製、増幅投与により免疫応答を刺激
    【HSP65】
  • HspE7(ヌヴェンタ・バイオファーマスーティカルズ):ヒトパピローマウイルスに感染した前がん状態の子宮頸部細胞
    【HSP70】
  • AG-707(アンティジェニクス):2型単純ヘルペスウイルス感染
  • HSPPC-70/AG-858(アンティジェニクス):慢性骨髄性白血病
    【Gp96】
  • HSPPC-96/ヴァイテスペン(アンティジェニクス):固形がん



 躍進した乳がん治療 10月号

ピンクリボン運動で検診率が向上、早期発見と治療技術の向上と相まって、発生率は女性にとって最も多いがんでありながら生存率は著しく向上した。
早期発見をもたらしているのはかつての触診やバイオマーカーに加えて、マンモグラフィ(乳房X線撮影)が普及し、さらに進行状況をUS(超音波)や造影MRI(磁気共鳴画像)法でつぶさに調べることができ患者の状況に応じたきめ細かな治療法を選択可能になったことも大きい。
またかつてのホルモン療法や抗がん剤といった治療法に頼っていたのが、分子標的薬が劇的に増えて選択肢が広がったことでがん細胞のタイプに応じた薬を投与可能になってきたという事情もある。
下記は日経サイエンス2008.10月号p48に示された薬剤一覧
(画像クリックのポップアップ制限。 当事者より著作権上の指摘があった場合は情報削除とします)

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 NEWS SCAN 2008年10月号:日経サイエンス その提案,話にならん!

 脳内の神経伝達物質(グルタミン酸、アセチルコリン、カテコールアミンインドールアミン)の寡乏がさまざまな症状を引き起こすことはすでに広く知られている。 ここではセロトニン(これまでもSSRIのような再取り込み阻害剤で濃度を高めるとやる気が高まり欝の症状が軽減されることが広く知られている)不足が、より不満を感じさせるように脳を誘導する傾向が示されたと記載されている。 これは結果として、他人の提案に対してより拒絶的になるということを示すものだ。
 これは私見だが、セロトニンは満足感を得るのに欠かせない伝達物質である一方で、それに先立つ活発な脳活動(ドーパミンなどの活性化)がない状態の単独作用では不安や警戒を高め食欲や性欲などの活動を抑制するという説もあるようなので、カリウムとナトリウムのように拮抗する電解質バランスなどと同様、絶対的な多少 /(拮抗物質と比較して)相対的な多寡とでさまざまな振る舞いを見せるような気がする。


他にも、自己組織化する量子宇宙(10月号)では、時空4次元のうち時間軸について対称性を限定(前後関係=因果律を導入)すると時空の生成シュミレーションが非常にうまくいくという記事で興味深かった。

また、激痛の原因を探る 片頭痛の新薬を目指して(11月号)では、これまでの脳血管(血流障害)犯人説から脳の神経細胞の燃え広がるような発火(これとよく似た発火としてはてんかん発作で見られるループ状の過興奮の波がある)によって神経細胞が集団で仮死状態(抑制状態)に陥るという見解があり面白かった。
 これは、現代の医療現場での見解とは異なるものだろうが、かつて「尿路に結石ができるのはカルシウムが過剰だから、制限しなさい」(実際には摂取制限すると血中濃度の現象を補おうと骨中からカルシウムが溶け出すので、むしろ血中濃度の上昇と尿中排泄を促す = カルシウムパラドクスとも呼ばれる)という誤った指導がなされていたり、「血圧低下のショック時にはノルアドレナリンやアドレナリンの投与が第一選択」視され続けていたり(循環体液量の減少によるショックでは抗利尿ホルモンのバソプレッシン投与のほうが救命率向上とされた)といったような例があることから考えると、常識の方が誤りであるのかも知れない。
 そういえば、四半世紀前には、心筋も脳細胞も神経細胞も再生しない(幹細胞の存在が成人ではもう消えている)と信じられていたのだった。


今回は同時にNewton2008.6月号も借りていた。 特集内容は「万能細胞」。
ES細胞(ヒト胚由来の全能性ある幹細胞)ではなく、すでに分化した細胞(これも常識的には先祖返りで万能細胞化はしないと思われていた)から、わずか4種類の遺伝子を導入し発現させることで見事に先祖返りを成し得た快挙です。

あまりWeb情報はないようだ
 > [iPS細胞 山中ファクタ Oct3/4 Sox2 Klf4 c-Myc] 検索結果 - goo検索(Green Label)



GooがGoogleと同じヒット数なのは珍しい・・・ ピンクリボン協賛でエコ募金対象なのでこういう時はGooを提示である ^^v
by bucmacoto | 2009-01-11 23:34 | quote/data | Comments(4)
Commented by MemenDers at 2009-01-12 00:01
いやー
まじでセロトニン不足っつのは、キツイもんだったような気がします。

Commented by bucmacoto at 2009-01-12 00:37
~ めめん さん

おまけにドーパミン過剰だと、本人はぎりぎりまでの譲歩でも相手には攻撃的に受け取られかねないてところでしょうか。
そういうときの合言葉は > 気合い抜いていこう ♪
Commented by MemenDers at 2009-01-12 21:38
> 本人はぎりぎりまでの譲歩でも相手には攻撃的に受け取られかねないてところでしょうか。

それ・・・まさにそれ。orz
Commented by bucmacoto at 2009-01-12 23:12
~ めめん さん

びんご? 大変だったですねー
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